県政報告では、秋田県内への移住世帯に対する支援金制度の周知徹底、県学習状況調査の見直し、あきたこまちRの全面切り替え問題など、加藤麻里議員の県議会における総括質疑の内容が報告されました。学習状況調査の問題では、県内における不登校児童生徒や教員の病休者の増加の問題とも絡めて、調査の終了について検討を求め、調査の継続にこだわる県教委と一定の見直しもあり得るとする知事との答弁のズレが明らかになっています。その他、地域の声に応える日常の議員活動の実際についても紹介され、フロアからは激励の言葉が数々寄せられました。
県政報告に続き、秋田県立大学の谷口吉光名誉教授による「広がれ、オーガニック給食~子どもたちと地域の食の未来のために。私たちは、そして日本という国は変われるのか~」と題した講演が行われました。
ここ数年オーガニック給食に対する関心が高まっています。谷口先生はこうした動きを社会全体の中に位置づけて考える必要性を前置きして、その背景に「行きすぎた経済のグローバル化」があることを指摘しました。農業の規模拡大と効率化、残留農薬基準の緩和、貧困、少子高齢化など、悪化する社会状況の中で人々の不安や不満が鬱積し、「子どもたち、私たちの食の環境を、もっと安全安心なものにしてほしい」と声をあげ始めた人々によってオーガニック給食を求める運動が広まってきたということです。
こうした運動は世界的な広がりを持っており、谷口先生は韓国を例にその先進的な取り組みをくわしく紹介するとともに、日本におけるオーガニック給食の進め方について、関係者による協議会の設置や関係者への働きかけ、行政による農家の再生産可能な価格による全量買い上げなどの条件整備の必要性を強調。具体的な実践としては、できるとこらから始めてオーガニック給食の意味を関係者が理解し、子どもたちに伝えていくことを重視すべきだとしました。
オーガニック給食は、農家にとっては有機農産物を地元で着実に販売でき、給食を食べる子どもたちは未来の有機農産物の消費者になります。また、保護者たちも子どもに影響されて有機農産物への関心を高めていくことになります。オーガニック給食をとおして、地域の市民が団体を作り地域の食のあり方を変えていく、「食の市民自治」のための運動が始まっていることを実感させられた講演でした。
【参加者アンケートから】こまちRの件、一つとても心配がありました。このままでいくと、何の説明もないまま学校給食や何かの給食のごはんに使われるのではないでしょうか?